犬の息が荒くなり、水をよく飲む症状が見られる場合、いくつかの病気が考えられます。今回は、獣医師の内村先生が解説する3つの主要な病気について詳しく紹介します。
1. クッシング症候群
クッシング症候群は、高齢の犬に多く見られる病気で、副腎という臓器が関係しています。副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることが原因です。この病気の主な症状には、水を大量に飲む、多尿、お腹の膨張、筋肉の萎縮、息が荒くなるなどがあります。治療法としては、薬物療法が一般的で、手術や放射線治療も行われることがありますが、非常に難しい手術となるため、薬物療法が主流です。
2. 分離不安症
分離不安症は、飼い主と離れることによって引き起こされるストレス反応です。飼い主が外出するだけでなく、ベランダに出るなどのちょっとした離れる行動でも不安が高まることがあります。症状としては、過剰な吠え、物をかじる、おしっこやうんちを漏らす、水を大量に飲むなどが見られます。治療には、獣医師の指導の下で行う行動療法や、専門の治療を行う獣医師に相談することが推奨されます。
3. 免疫介在性溶血性貧血
免疫介在性溶血性貧血は、自己免疫が赤血球を攻撃することによって引き起こされる病気です。赤血球が不足すると、酸素を全身に供給する能力が低下し、息が荒くなることがあります。また、血液が破壊されることで黄疸が出たり、白目が黄色くなることもあります。原因には、玉ねぎ中毒、悪性腫瘍、遺伝、ダニ感染症などが考えられます。この病気の治療には、定期的な予防策としてフロントラインなどのダニ予防薬の使用が重要です。
まとめ
犬の息が荒くて水をよく飲む症状が見られる場合、クッシング症候群、分離不安症、免疫介在性溶血性貧血の3つの病気が考えられます。これらの症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
この記事が参考になった方は、ぜひ獣医師のアドバイスに従い、愛犬の健康管理に役立ててください。
この記事はこちらの動画をもとに作成しました。